石けんラボ

外用で使えるドライハーブを『浸剤』・『浸出油』・『チンキ剤』と3つの剤型エキスを使って、石けんをつくります。仕上がりや香り、使用感などを、モニターを通じてレポートを発表していきます。

第1回「オレンジフラワーの石けん」


ハーブ:オレンジフラワー

学名:Citrus aurantium
科名:ミカン科
種類:高木
使用部位:花部
柑橘類の植物で、主要成分は精油(リナロール・酢酸リナリル・ネロリドール・ゲラニオール)
精油のネロリの香りで有名なオレンジのフラワー。16世紀にアンナマリー・デ・ネロラというイタリアの王女が初めて花からオイルを抽出し、手袋に香りをつけるために使ったといわれています。香りの成分リナロールはラベンダーにも含まれていますね。ゲラニオールはローズに。オレンジフラワーのウォーターは水蒸気蒸留の副産物で駆風や不安、ショックなどに服用されていたといわれています。香りが強くハーブティーとして飲用するときは、深い香りに包まれ、ほっと和むティーです。神経緊張に緩和作用があるといわれ、緊張による不眠などにおすすめできます。気持ちがイライラしていたり、怒りっぽくなっている人にも鎮静効果を目的にリンデンとブレンドするなど活用できます。オンレジは使う部位によって香りや働きが異なり、同じ学名で果皮を使う場合、光感作に注意が必要です。

オレンジフラワーの石けんづくり

★事前準備

写真左から:「浸出油」「浸剤」「チンキ剤」

【浸出油】 基本のレシピの油脂350g オレンジフラワー12g 3週間漬け込み
【浸剤】 熱湯50g  オレンジフラワー3g ハーブティで1時間浸出
【チンキ剤】 精製水40cc  無水エタノール60cc  オレンジフラワー4g 3週間漬け込み

★仕込み

【浸出油】油は褐色に色付いていた。香りがよく残っている。少し濾し残りあり。 油45℃、アルカリ水38℃で混合。20分攪拌で、重たいポタージュスープ程度の硬さ。 攪拌中もよく香っていた。時々攪拌で、2時間でトレース、型入れ。木型使用。 型入れ時もよく香り、タネの色はごく薄い黄色。発泡スチロール箱で24時間保温。
【浸剤・チンキ剤】石けんを倍量で作り、ゆるくトレースが出たところで2分割、片方がチンキ剤、片方を浸剤にする。油41℃アルカリ水46度で混合、20分休まず攪拌。その後は時々攪拌で、2時間でゆるくトレースが出たところで2分割。
【チンキ剤】すぐに硬いトレースになる。(写真右)石けん全体が黄褐色に。あまり香らない。まんべんなく混ざったところで型入れ。木型使用。
【浸剤】少しトレースが硬くなった。色は【チンキ剤】とよく似た黄褐色。全く香らない。むしろ、たんぱく質系のオプションを入れた時のような嫌な香りが少しした。そのまま20分程攪拌を続け、トレースが出たところで型入れ。木型使用。 いずれも発泡スチロール箱で24時間保温。

★型だし

【浸出油】と【浸剤】はきれいにできていて、順調にジェル化した模様。 【浸出油】は、香りがだいぶ淡くなった。 【チンキ剤】はジェル化がムラ状に起きた。少し熱が上がりすぎたのか。分離までとまでは行かないが、少し液体が染み出ていた。【チンキ剤】と油脂の混合物か、染み出した液体は茶褐色。香りはあまりない。

★カット

【チンキ剤】のムラは落ち着いている。アルコール臭はまだある。【浸出油】は香りはほとんど感じられない。どれも適度に硬くなっている。

写真左から:「浸出油」「浸剤」「チンキ剤」

★テスト

色は、【浸出油】に比べ、他の2つがワントーン濃い色になった。 どれも適度に泡立ちがあり、十分な洗浄力。 【浸出油】ではオレンジフラワーの気配があまり感じられなかった。 ごく普通のオリーブ油の石けん、といった印象で香りもしない。 【チンキ剤は、アルコール度数が少し高かったのか、アルコールの香りが強く、他のものに比べ、少し泡立ちがよいようだ。 【浸剤】が一番ハーブの気配の感じられる石けんとなった。 香りはほとんどないが、洗浄力がだいぶ穏やかになっており使いやすい。


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【プロフィール】

石けん制作-野乃屋 http://nonoya.net

ハーブ文-葉の園 http://www.hanoen.jp