石けんラボ

外用で使えるドライハーブを『浸剤』・『浸出油』・『チンキ剤』と3つの剤型エキスを使って、石けんをつくります。仕上がりや香り、使用感などを、モニターを通じてレポートを発表していきます。

第2回「マリーゴールド(カレンデュラ)の石けん」


ハーブ:カレンデュラ

学名:Calendula officinalis
科名:キク科
種類:草本
使用部位:花部
代表的な成分はこのオレンジの色素成分、カロチノイド。皮膚や粘膜の保護(抗菌力や毛細血管の修復)を促す働きがあります。 12世紀に書かれたメイサーの薬草書に、花を見るだけで視力がよくなり、気分が明るくなるといいます。 学名が異なるマリーゴルド(Tagetes patula)などはインドでは観賞用として、あるいは魔よけの首飾りなどに使用されてきたといわれています。 どちらとも色鮮やかなオレンジが特徴で、エネルギーが満ち溢れるいる様から、カルペパーの時代では「心を強くするハーブ」と呼ばれてきました。 カレンデュラのメディカルハーブとしては花びらの部分をオイルにつけこんで、インフューズドオイルとしてクリームの基材にしたり、殺菌、消炎、収れん作用があることから皮膚疾患にも多く用いられてきました。
料理にバターライスに花びらを使ったり、パンやクッキーに活用したりすることもできるそうです。内用、外用、また料理、観賞用として大活躍するこのハーブ。 この季節には、主婦湿疹などにバスハーブとして使ったり、夏の季節にはカモミールとブレンドしてパウダーにして使うなどおすすめです。
浸剤としても、浸出油としても、またチンキ剤としても有効に活用できるのが魅力ですね。 注意事項として一部の書籍に妊娠中の内服は不可とありますが、基本的に安全性の高いハーブです。

カレンデュラの石けんづくり

今回のポイント!
せっけんに入れても変色しないカレンデュラ。 抽出するだけでなく、花びらをそのまま入れたせっけんも作ってみました。 また、比較対象としてハーブなしの基本のレシピのせっけんも作りました。 チンキ剤は、前回40%のアルコール溶液を使ったところ、かなりアルコール臭のするせっけんになったので、今回はアルコール度の低い日本酒を利用。また投入するタイミングで違いが現れるか実験してみました。

★事前準備

写真左から:「浸出油」「浸剤」「チンキ剤」

【浸出油】カレンデュラ8gを基本のレシピの油脂300gに約2週間漬け込み
【浸剤】熱湯 50g カレンデュラ 3g浄水を沸騰させハーブティを作る。1時間浸出。
【チンキ剤】  日本酒 100cc カレンデュラ 4g アルコール度16%の日本酒に、約2週間漬け込み

★仕込み

【浸出油】
ごく薄く色付き香りも淡く残る。少し濾し残りあり。 20分攪拌で、重たいポタージュスープ程度の硬さで攪拌中もよく香っていた。 時々攪拌で、2時間でトレース、型入れ。木型使用。型入れ時もよく香り、タネの色はごく薄い黄色。発泡スチロール箱で24時間保温。
【チンキ剤A】【浸剤】【ホール】
油・アルカリ水とも40度程度でで混合、20分攪拌。 ブレンダーを使用しトレースが出たところで4分割。一つはそのまま型入れ、残り3つにそれぞれ【チンキ剤】【浸剤】【ホール】を投入。【チンキ剤】【浸剤】は投入するとすぐに硬いトレースになる。特に【チンキ剤】はすぐに硬くなるので要注意。どちらもきれいな黄色になった。4種類とも発泡スチロール箱で24時間保温。
【チンキ剤B】
油を溶かしたところに【チンキ剤】を先に混合しておき、アルカリ水を投入した。油とアルコールは混ぜても時間の経過で分離するが、 混ぜた直後は少しだけ均一な状態が保てるのでその間にアルカリ水を投入する。 材料にムラのない状態でアルカリ水を投入したいためそうしたが、急激にトレースが出ることはなく、作りやすかった。最初の20分の攪拌でかなり重たいポタージュ状になった。 1時間半程度で型入れ。きれいな黄色になった。

写真左から:「カレンデュラホール」「油にチンキ剤を投入(チンキB)」「アルカリ水を投入(チンキB)」

★型だし

型出しのタイミングではどれも問題なし。しっかりジェル化した模様。

★カット

【浸出油】の香りはとても淡い。【ホール】はほとんど香らない。【チンキ剤A】【チンキ剤B】ともにアルコール臭はあまり感じられない。見た目はそっくりで区別がつかない。 【浸剤】はほんのり香っている。硬さは【基本のレシピ】【ホール】がやや硬い。後から水分を加えていないせいだろう。

写真左から:「基本のレシピ」「浸出油」「浸剤」下段左から:「ホール」「チンキ剤A」「チンキ剤B」

★テスト

【基本のレシピ】色はアイボリー。オリーブ油のせっけんらしく、泡立ちも硬さもまずまずで洗浄力のある使いやすいせっけん。
【浸剤】はチンキ剤よりもくすんだ黄色。若干泡立ちと洗浄力が弱い。香りは一番よい。
【浸出油】基本のレシピより若干黄色。泡立ちは基本レシピと変わらないが洗浄力が弱い。泡立て時の香りは残ったものも、ごく淡くほんのり甘い。
【ホール】はせっけんそのものに色移りはない。花びらの色はそのまま保たれている。泡立てた時に香りは感じられない。
【チンキ剤A】鮮やかな黄色。色に差は感じられない。若干泡立ちと洗浄力が弱い。アルコール臭が立ってしまい、カレンデュラの香りがあまりわからない。
【チンキ剤B】鮮やかな黄色。色に差は感じられない。若干泡立ちと洗浄力が弱い。アルコール臭は薄く、浸剤に近いくらいの香り。


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【プロフィール】

石けん制作-野乃屋 http://nonoya.net

ハーブ文-葉の園 http://www.hanoen.jp