石けんラボ

外用で使えるドライハーブを『浸剤』・『浸出油』・『チンキ剤』と3つの剤型エキスを使って、石けんをつくります。仕上がりや香り、使用感などを、モニターを通じてレポートを発表していきます

第3回「レモングラスの石けん」


ハーブ:レモングラス

学名:Cymbopogon citratus
科名:イネ科
種類:草本
使用部位:葉部
生育が早く芳香性の多年草で1.5mほどに育ちます。根と小根がよく伸び栄養分をすぐに吸収します。比較的栽培は簡単で、家庭でも育てて生活に取り入れている方も多いでしょう。
インドの伝統医学では感染病や熱病に精油が使われています。 主な成分は精油(シトラール シトロネラール ゲラニオール、リナロールなどで、主に鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用があるといわれています。
夏の季節には虫除けスプレーなどに使われることが多く忌避作用があります。水虫などの皮膚の疾患に有効ともいわれ殺菌作用としても知られていますが、人によっては皮膚を刺激したり、感作作用を及ぼす場合があるので注意が必要です。
脂肪の分解を促す作用があるといわれ、スリミングハーブとして使われることもあるとか。 ハーブをお湯に入れて、ハーブスチームやミントとブレンドした抽出液を入れた朝のハーバルバスなどは眠気をさまし、頭をすっきりさせるのにおすすめです。

ハーブティーとして生活の中によく登場するハーブで、消化器系の機能調整や中枢神経機能調整などの目的で使われます。心身の疲労に伴う食欲不振、消化不良、腹痛などに有用性があり食後の飲用がおすすめ。胸焼けや胃もたれが習慣化している人にも適応できます。
レモンの香りが爽やかで、レモングラスとレモンバーム、レモンバーベナで作るレモニーティーブレンドはとても美味しいです。
ドライでもフレッシュでもどちらでも使えるハーブで、東南アジアではよく料理に使われており、とくにエスニック料理には欠かせない素材のひとつ。肉料理のアクセントやスープなどの香り付けにもよく見られます。タイ料理のトムヤンクンにもレモングラスの茎が使われていますね。
他にも染料(緑色・黄色)などとして、脱臭・殺菌効果を活かして衣類のケァとして、また石けん、洗剤、化粧品、香水などに広く利用されています。

レモングラスの石けんづくり
今回のポイント!
さわやかなレモン様の香りのレモングラス。 その特長を生かすべく、ハーブをたっぷり使って作りました。 これまでの2回ともチンキ剤のアルコール臭が気になっていたので チンキ剤のアルコールを飛ばして2種類作ってみました。

★事前準備

写真左から:「浸剤」「浸出油」「チンキ剤」

【浸出油】
レモングラス50gを基本のレシピの油脂350gに約4週間漬け込み
【浸剤】
熱湯 50g レモングラス 10g (浄水器使用の水を沸騰させたものを使用し、 左記分量でハーブティを作る。1時間浸出。)
【チンキ剤】
ホワイトリカー 100cc レモングラス 10g(アルコール度35%のホワイトリカーに、 レモングラスを約4週間漬け込み)※せっけんの仕込み前に2分割、1つは1時間ほど湯煎でアルコールを飛ばし、【チンキ剤A】とする。 もう一方は弱火でアルコールを飛ばし、【チンキ剤B】とする。 アルコールは水よりも沸点が低く78度程度。沸騰させると水も蒸発してしまうので 80度前後の湯煎で飛ばしきるのがベスト。その場合、少し丁寧に湯煎する必要があるが、今回はあまり神経質にならずに、【チンキ剤A】は湯煎のお湯が冷めてきたら少し温め、【チンキ剤B】は沸騰だけさせないようにした。

★仕込み

【浸出油】油の色は濃い抹茶色に。香りはよく付いている。色も香りもよく浸出できた。 攪拌1分でゆるいトレースが出始め、3分後には型入れ。木型使用。 型入れ時もよく香り、タネの色は緑色が薄くなり、うぐいす色といった感じ。発泡スチロール箱で24時間保温。
【基本のレシピ】【チンキ剤A】【チンキ剤B】【浸剤】油・アルカリ水とも40度程度でで混合、20分攪拌。ブレンダーを使用しゆるくトレースが出たところで4分割。 一つはそのまま型入れ、残り3つにそれぞれ【チンキ剤A】【チンキ剤B】【浸剤】を投入。 【チンキ剤A】はアルコールが飛びきっておらず、アルコール臭あり。
【チンキ剤B】はアルコール臭ほとんどなし。澱のようなもの(アルコールに溶けていた成分と思われる)ができており、せっけんにも斑点ができた。 今回はチンキ剤のアルコールの飛ばし方で出来上がりのアルコール臭に 違いがあるかの実験なので、投入タイミングは2種類ともゆるいトレース時。 4種類とも発泡スチロール箱で24時間保温。

写真左から:「浸出油トレース出たところ」「浸剤」「チンキB」

★型だし

型出しのタイミングでは大きな問題なし。すべてジェル化した模様。【チンキ剤A】が特にジェル化が急激に起きたようで、汗をかいていた。

★カット

【浸出油】の香りは淡くはなっているが残っている。うぐいす色がきれい。 【チンキ剤A】はアルコール臭がきつい。やはりジェル化が激しかったようで、ムラができている。 【チンキ剤B】不思議なことにアルコール臭がある。【浸剤】これまでの2回と同様、草のような匂いがある。硬さは【基本のレシピ】【浸出油】がやや硬い。

写真左から:「基本のレシピ」「浸出油」「浸剤」下段左から:「チンキ剤A」「チンキ剤B」

★テスト

色は、【基本のレシピ】がアイボリー。【浸出油】は若干くすみのあるうぐいす色。
【チンキ剤A】【チンキ剤B】はベージュ。【浸剤】は【チンキ剤】よりも淡いベージュ。
【基本のレシピ】はオリーブ油のせっけんらしく、泡立ちも硬さもまずまずで洗浄力のある使いやすいせっけん。
【チンキ剤A】【チンキ剤B】【浸剤】では、【基本のレシピ】より泡立ちと洗浄力が弱いように感じた。【浸出油】は泡立ちに【基本のレシピ】との差は感じられなかった。
香りは、【浸出油】が一番よく香ったが、泡立てたときの香りがせっけんそのものを嗅いだときの香りに劣るような気がした。【浸剤】草のような匂い。これまでの2回の浸剤と非常によく似ている。【チンキ剤A】は強いアルコール臭。【チンキ剤B】は、煮切った時にはアルコール臭はなくなっていたし、少し舐めてみてアルコールが飛んでいることを確かめたのだが、少し残っていたのだろう。出来上がりは【チンキ剤A】に比べればだいぶ弱いがはっきりとアルコール臭がする。浸剤とチンキ剤Aの中間といったところ。


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【プロフィール】

石けん制作-野乃屋 http://nonoya.net

ハーブ文-葉の園 http://www.hanoen.jp