石けんラボ

外用で使えるドライハーブを『浸剤』・『浸出油』・『チンキ剤』と3つの剤型エキスを使って、石けんをつくります。仕上がりや香り、使用感などを、モニターを通じてレポートを発表していきます。

第4回「スギナ(ホーステール)の石けん」


ハーブ:スギナ

学名:Equisetum arvense
科名:トクサ科
種類:シダ植物多年草
使用部位:葉部
スギの葉に似ている葉をもつことから「スギナ」という和名の由来をもつといわれているスギナ(ホーステイルともいう)。
日本でも古くから腸や痔などの出血痔の止血や下痢止めなどに薬効があるといわれてきました。日本で見られるスギナの学名はEquisetum hyemaleで風邪などの解熱に乾燥した地上部を煎じて飲むなど利用されてきたといわれています。
ヨーロッパなどの民間療法でのハーブ(ホーステイル)は癒しの茎ともよばれ、シリカという珪酸が多く含まれ、出血や膀胱、腎臓、結石に卓効があることが報告され、内用、外用ともに非常に多く利用されています。
ハーバリストのニコラス・カルペパーの言葉に「ホーステイルには真っ二つに切り裂く鋭さがあるが、腱を治癒する」とあり、プリニウスには「その性質はじつに驚嘆すべきもので、単に触れただけでも患者の出血が止まるほどである」と残されているくらい。古くから様々な治癒作用をもたらしてきたことがわかります。
東城百合子著によるスギナの自然療法では、外用のトラブルにスギナの生葉をすり鉢でつぶし、そのままパスターにして幹部に貼り、汁をそのままつける等といった療法も記されています。
美容面でも、スギナをアルコール漬けにした化粧水はさっぱりして肌がツルツルになるともあり、何とも是非使ってみたいハーブの一種です。
スギナの主要成分シリカのもうひとつの活用法は、含まれる塩分との相乗効果で、爪や髪を丈夫にすることで知られています。シリカは結合組織の強化や修復・再生能力に優れ、強度や弾力性を高めるとされています。
日本では、春先に雑草として「つくし」を見かけるし、佃煮などで食卓にあがるなじみのある身近な植物ではありますが、心臓病や腎機能障害には禁忌とされ、また品種もいくつかあってアルカロイドを多く含む禁忌の種もあることから、利用にはなるべく食品として売られている安全性の高いスギナを求めるか、品種には十分注意して利用されるとよいでしょう。

スギナの石けんづくり

今回のポイント!
香りよりも色に期待ができそうなスギナ。 いつもの通り、浸出油・チンキ剤・浸剤の3種類を試した。

★事前準備

写真左から:「浸剤」「浸出油」「チンキ剤」

【浸出油】スギナ75gを基本のレシピの油脂1300gに10日漬け込み。 漬け込み期間が短いことと、気温が低く油脂が固まっていて浸出され難い状況だったことを考慮し、仕込み直前に20分温浸した。冷侵と温浸を併用したような形になった。
【浸剤】熱湯 80g スギナ 5g 浄水器使用の水を沸騰させたものを使用し、上記分量でハーブティを作る。1時間浸出。
【チンキ剤】焼酎 120cc スギナ 10g アルコール度25%の焼酎に、スギナを約1週間漬け込み仕込み前にアルコール臭除去を期待して30分ほど湯煎

★仕込み

【浸出油】油の色は比較的濃い緑色に。香りもかなり残っている。 攪拌20分でポタージュ状。1時間半後に型入れ。木型使用。 型入れ時もまだ香りがあった。タネの色は緑色が薄くなり、ピスタチオのようなきれいな色になった。色の変化はレモングラスの仕込みの時とよく似ていた。発泡スチロール箱で24時間保温。
【チンキ剤】【浸剤】油・アルカリ水とも40度程度でで混合、20分攪拌。1時間15分ほどでゆるくトレースが出たところで2分割、それぞれに【チンキ剤】【浸剤】を投入。【チンキ剤】【浸剤】ともに、投入するとすぐに反応が進み、トレースがしっかりとした。特に【チンキ剤】で顕著だった。 【チンキ剤】はアルコール臭がしており、【浸剤】では特にこれといった香りは感じられなかった。色はどちらも黄色っぽい褐色で、なかなかきれい。3種類とも発泡スチロール箱で24時間保温。

写真左から:「浸出油トレース出たところ」「浸剤」「チンキ剤」

★型だし

型出しのタイミングでは大きな問題なし。すべてジェル化した模様。

★カット

【浸出油】は香りが思った以上に残った。色は濃く出てきれい。 【チンキ剤】はアルコール臭がある。色は浸剤に比べて暗い。仕込み段階の黄色は消えてベージュに。 【浸剤】仕込みの段階ではあまり分からなかったが、少し香りが残っている。 こちらもベージュになったが、【チンキ剤】より明るい色。硬さは【浸出油】がやや軟らかいように感じる。

写真左から:「浸出油」「浸剤」「チンキ剤」

★テスト

色は、【浸出油】は濃いうぐいす色。【チンキ剤】は暗いベージュ。【浸剤】は【チンキ剤】よりも明るいベージュ。
色については時間の経過とともにレポート記述時よりもチンキ剤の色が淡くなった。
【浸出油】は泡立ちがきめ細かく、洗浄力は少し穏やかに感じられた。香りも泡立てるとほのかに感じられて、感じがよい。
【浸剤】は【浸出油】よりも全体に粗い印象。泡立ちも少し大きめで、洗浄力はしっかりしているように感じられた。香りは感じられない。
【チンキ剤】は【浸剤】に近い印象。洗浄力がさらに増している気がした。アルコール臭は泡立てた時には心配したほど匂わなかったが、ある。スギナの香りは感じられない。
香りは【浸出油】が一番よく残った。泡立ちにもよい影響があったように感じる。 【浸剤】【チンキ剤】ではこれといった特徴が感じられず、残念だった。


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【プロフィール】

石けん制作-野乃屋 http://nonoya.net

ハーブ文-葉の園 http://www.hanoen.jp