特集

みなさんこんにちは。私は現在イギリスでメディカルハーブを扱う仕事をしています。イギリスではどんな風にハーブが活用されているのか、薬草としてどんな役割があるのか…、素朴でありながら秘めたパワーをもつハーブの話題をお届けします。

Vol.01 メディカルハーブのある暮らしfrom England

生活の中に根づき、幅広く活用されているハーブ

イギリスではたくさんの種類のハーブが普段の生活の中で、料理やハーブティーとして、香りを楽しむものとして、多くの人々に愛用されています。また、薬草としての優れた薬効から、健康の維持や病気を手助けするために昔から利用され、現代でも病気の予防やさまざまな疾患の治療に役立っています。
このようなハーブは、「外用剤」としても大活躍。さまざまな基材の形で利用されますが、一番シンプルな使い方は、「ハーブティー(浸剤・煎剤)」をそのまま外用として使う方法です。ハーブティーを作って冷ましてから、洗浄剤として皮膚に使用したり、ガーゼなどにしみ込ませて患部にパップします。

生のハーブ※1を簡単に洗ってから、そのまま患部に貼ったり、乾燥したハーブ※2を粉末にし、お湯や水分を含ませて柔らかくしたものを、ガーゼなどを利用して湿布剤に使ったりすることもできます。また、精油・ハーブ風呂・浸出油・チンキ※3なども「外用剤」として、皮膚病や捻挫・筋肉痛などの治療に盛んに使われています。

※1:ヤロー(yarrow)、プランテーン(Plantain)、セルフヒール(Self heal)など
※2:コンフリー(Comfrey)、スリッペリーエルム(Slippery Elm powder)など
※3:ハーブをアルコールに漬けて抽出したもの

人にも環境にも優しい石けん・化粧品も人気

これ以外にも、ハーブから作られた芳香蒸留水の化粧水や、ハーブが原料に入っているクリーム・ボディーローションなどは肌にも自然にも優しく、自然派志向の方や敏感肌の方に、また、肌荒れや皮膚疾患に悩まされている方にも人気があります。

日本でもおなじみのローズやカモミール、ラベンダーなどは、イギリスでもとてもポピュラー。これらのハーブが使われた石鹸・化粧品類などをよく見かけることができます。
使い始めるととても使い心地が柔らかく、肌に負担がかからない感じが魅力です。化学薬品がたくさん入った強い香りに慣れた方には、最初は少し物足りない感じがするかもしれませんが、すぐに自然の素材が持つ香りや素晴らしい使い心地に満足できると思います。

皮膚が弱い方や皮膚病などに人気のあるハーブには、他にマリーゴールド =Marigold(Calendula officinalis)などがあげられます。消炎作用に優れたハーブで、傷・湿疹などに大活躍。日本でもおなじみですね。

散策の途中で出会える身近なハーブたち

次に、イギリスの野原などで簡単に見つけられて利用できるハーブたちを何点かご紹介します。

エルダー Elder Flower(Sambucus nigra)
晩春に咲き誇る甘い香りのオフホワイトの花を主に使います。エルダーフラワーウォーターは日焼けの後やそばかすなどの肌のお手入れに。また、肌を柔らかくし美白を保つとして手や顔の洗浄にも使われてきました。肌荒れ・しもやけなどのクリームの材料にも使われます。

オート Oats(Avena sativa)
細かく砕いたオートミールをガーゼに入れて、お風呂に入れたり、浸剤を皮膚の洗浄やハップ剤として利用します。皮膚に水分や栄養分を与え、肌を柔らかくするなどの働きがあることから、乾燥肌や湿疹・アトピー性皮膚炎などにも大活躍するハーブです。

ハーツィーズ(Heartsease),オオバコ(Plantain)
イギリスの散歩道で見かけることができ、傷や肌荒れなどに使われます。

素朴ですが、とてもパワフルな力を秘めるハーブ達・・・
皆さんもぜひ、ハーブを気軽にどんどん生活の中に取り入れて、その優れた効能を楽しんでみてください!
ここに私が普段、仕事の中で植物を外用剤として使うにあたってのポイントをあげますので、参考にしてください。

*質(香り・新鮮なもの)
*オーガニック(質の良い)
*その症状によって量を加減
*症状によって基材を選び分ける
*クリームも使う国・季節によって原料を多少変えるなど


スポンサードリンク

【プロフィール】

RIEKO OSHIMA BARCLAY
http://phyto.aroma-ai.co.uk/
認定メディカルハーバリスト&アロマセラピスト
英国メディカルハーブ協会会員(Dip.phyt MNIMH MCPP)
1994年渡英。スコットランド農業カレッジ薬用・芳香植物研究室で研修後、英国ハーブ医学校でハーブ医学を学ぶ。現在、ロンドンを中心にハーブ治療、アロマセラピーなどを行う他、ロンドン、サリー州、及び日本各地でメディカルハーブの講演活動を行っている。執筆記事に「aromatopia 45&46号」、「aromatopia66号」より連載(フレグランスジャーナル社発行)、「セラピストVol10」(BABジャパン発行)。2005年11月からイギリスに住む日本人向けのフリーペーパーにも寄稿中。