特集

ライフワークを通して自然や植物、地球環境とか、人と人とのつながり、ものづくりや手づくりの心について思うことなど様々な分野で活躍する人たちからのメッセージをお届けします。

vol.03 第3の空間への入り口-手づくり石けん

人の手から作り出されるもの 人の手から伝わるもの

石けん教室

今からちょうど4年前の春。カモミール(私が経営するアロマテラピーショップ)に開店と同時に、ステンレスボウルと泡立て器を持った、好奇心あふれる7名が集合。
そう今日は記念すべき第1回「手作り石鹸教室」。大胆にも主催者の私も当日が初挑戦!?前夜、慌てて詰め込んだ石けんづくりの参考書からレシピと手順。そんな中で早速石けん作りがはじまりました。計量は正確?苛性ソーダ水と油の温度はそろってる?
苛性ソーダ水の刺激臭に気をつけながら、参加している7名の生徒たちと初めての体験ともあり異様な盛り上がりの中で、次々と2日間の予定で行う初日の最後のプロセス、20分間の撹拌作業に入ります。

作業開始後1時間を経過した頃、ふっと、泡立て器を持つ手の動きを止めることなく、「昔の人は、こうやって石鹸も作っていたんだ・・・」とつぶやきながら、無心になっている自分にビックリ。撹拌終了を知らせるタイマーが鳴って、2日目の型入れに備えて香りを選びます。ここは、私の専門なので、楽しく精油をブレンド。

熟成までの4週間、何度も何度も触った大きさも不揃いな下手な手作りの石鹸。その石けんを1ヵ月後、ソーッと手で泡立てて洗顔。ほのかに香るローズウッドにとても幸せな気分。その瞬間から「もうこれからは、自分の手作り石鹸で暮らそう、大好きな人達にプレゼントしよう」と決心。その思いは多分他の参加者もきっと同じだったのだと。。。

『自分で手作りする』というすてきさ 自分の世界(第3の空間)を持つこと

手づくり石けん

「私の手が作った石鹸」は、大きな意味を持った調合物と言えるのです。それは手作りを楽しむ、プロセスを楽しむ時間が「積極的な休息」になるのです。普段”あえて心や身体を休める”ことをしない現代人にとって、手をつかい植物に触れることで心身がカタルシス(=心身の浄化=ストレスから開放されて、心と体の欲求が素直に表れる状態)になるのです。

私のサロン「カモミール」に石鹸を作りにみえる人は、終了すると皆、良い顔をしています。自分自身の内なる混沌として形をなさないものを感じながら、その中から創造しつつ生きる大切さを、手やカラダで感じ考える時間になるのです。しかも自然にある美しい草や花や葉、実を素材に、生活に役立つすてきな物が手作りできるのを知ったら、小さくとも何かが変わってゆくと思うのです。
私は、土の匂い、草の匂い、風の流れに気づき、なぜか空を見上げる回数が増えました。
自分で作れるものは、自分で作ってみましょう。自分の持つ価値観を多面的にすることによって心のバランスを保てます。手作り石鹸が、第3の空間への入り口になるかもしれません。

ところで、第1回手作り石鹸教室参加メンバーのその後ですが、今やソーパーと呼ばれる者、休日は深夜まで石鹸作りに精を出す者、一度に数種類の石鹸を作り上げ、ひたすらプレゼントをし、そこに喜びをみいだした者などなど様々です。


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【プロフィール】

小山 道子
http://www.chamomile.co.jp/
立教大学社会学部卒業後、不動産業界に就職。結婚、子育てを通じ、「住まい」を単に居住する場所というだけでなく、ココロとカラダのエネルギーを取り戻す場所と考えるようになる。(家族や、気に入ったモノに囲まれ、温かい食事を採り、温かいお風呂に入り、清潔でふんわりとしたベッドで休めば、目覚めると元気になっている。)そこには、家族や友人達との様々な交流がある。植物の香りはコミュニケーションの言語であると気づき、2000年10月 世田谷区梅丘にアロマテラピーショップ&スクール「カモミール」をオープンする。
ナード・アロマテラピー協会認定アロマトレーナー
日本アロマテラピー環境協会アロマテラピーインストラクター
モーリスメセゲハーブアドバイザー
アロマセラピスト
有限会社ヴェルドワ代表取締役