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月桃はショウガ科の多年草で背丈が2~3m、初夏にランのような形状の花が咲き、秋に赤く実が熟します。私たちは、この月桃の葉からエッセンシャルオイルを水蒸気蒸留法で抽出し、防虫剤・消臭剤・抗菌剤などを製造加工しています。今回、私たちが月桃を通じて学び吸収してきたこと、また、皆様の石けん作りに役立つようなポイントをご紹介いたします。

vol.08 沖縄の強烈な太陽を浴びて育つ月桃(げっとう)

「沖縄における月桃」

沖縄の人々にとって月桃は馴染み深い植物で、古くから生活の中に溶け込み活用されてきました。たとえば、強靭な繊維を持つ茎はサトウキビを縛る結束材として、また、独特な香りを持つ葉は虫除けやカビ除けとして。その他、笹もちの笹の葉のように月桃の葉で餅を包んだムーチーという餅菓子もあります。旧暦の12月8日にはこれを子どもの年の数だけ紐でくくり、軒に吊るして健康を祈るという伝統的な行事が行われています。

写真:ムーチー

「月桃の未知なる可能性」

ビジネスとしては茎が月桃紙の原料に、葉からは月桃精油を抽出して各種機能製品に、また種子はお茶、根は草木染の原料にもと多彩な商品開発が可能です。
その上、森林資源の浪費を抑制し、住環境に有害物を発生させず、健康食品や自然派化粧品の原料まで作ることができてしまう、まるでコンビナートのような組み立てができるところに私たちは魅せられました。そして、まだLOHAS、サステナブル、ゼロエミッション……、というキーワードがなかった15年前に、健康・安全・天然・エコロジーという端的なスローガンを掲げ、公害と対極軸にある月桃総合活用というコンビナートを作り上げたいと思い、これまで月桃の可能性に没頭してきました。

写真:月桃の葉や実

「月桃の栽培と活用」

月桃は「葉」「茎」「種子」「根茎」と各パーツにわけて活用されますが、この中で葉はさらに「精油(揮発成分)」「月桃葉エキス(不揮発成分:丸善製薬の商標)」「芳香蒸留水」「ドライハーブ」「粉末」などに分類。これらもそれぞれ活用の仕方が異なります。栽培方法については種子を原料にして月桃茶も作っていますので、有機栽培にこだわり、沖縄県うるま市にある浜比嘉島の直営農園で、月桃の無農薬有機栽培を行っています。

写真:月桃農園

「月桃せっけん」

次に、商品化している月桃石けんをご紹介しましょう。
パーム油をベースに、月桃精油と月桃粉末(フリーズドライ製法による微粉末)によって香りを整えた石けんで、山梨県の石けん職人さんに依頼して作っています。日本月桃の精油は「グリーンフラスコ」(学名:Alpinia zerunbet )と、「ライブラ香りの学校」(学名:Alpinia uraiensisu )においてそれぞれ扱って頂いています。この2種類の月桃精油は香りが微妙に異なります。それぞれの成分表をウェブサイトで調べられるようになっていて、とても良心的です。手作り石けんで月桃精油を活用されるときに参考となるでしょう。

写真:月桃石けん

「手作り月桃せっけんの精油レシピ」

写真左から:月桃の農園 水蒸気蒸留法で抽出 月桃の精油

月桃精油の成分は、少量ずつ多種類のモノテルペンおよびモノテルペン系のアルコール、アルデヒド類があり、数%の1.8シネオールが特長成分として含まれています(参照:月桃精油の成分)。共通成分を多く含む精油や月桃精油と相性のよい精油として、ローズマリー、ユーカリ、ティートリー、ゼラニウムなどがあります。これらの精油の特長は抗菌性、抗ウィルス性に優れていることです。香りだけでなく石けんの機能を高めるのに適していますが、お好みに合わせてブレンドすることによって、オリジナリティーの高い石けんにもなります。

私のおすすめは、月桃:ローズマリー:ゼラニウム=1:2:1の調合です。このレシピは、月桃精油の多彩な香りにメリハリを加えたように仕上がるのが魅力です。これは月桃びいきの私の表現ですが、客観的にはローズマリーとゼラニウムの魅力を引き立てる隠し味として、月桃が活躍しているといった方が適切かもしれません。人それぞれお好みの香りや精油があると思いますが、隠し味として1滴、月桃を加えることをぜひ試してほしいと思います。また月桃精油をベースとした精油調合レシピで、試行錯誤のうえさまざまなブレンドを探ってみました。こちらのWEBサイトに掲載しましたので是非ご覧ください。

最後に私たちは沖縄特産の月桃を出発点として、まったく異なったカテゴリーの商品展開を行っています。アロマに参入したら、趣味として石けん作りやクリーム作りまで手掛けることになるとは夢にも思いませんでした。


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【プロフィール】

碓井修
旭化成ホームズを1992年に退職、日本月桃株式会社に入社し商品管理部長に就任。
1996年に代表取締役に就任、2006年現在は直営農園である有限会社月桃農園代表取締役、日本月桃株式会社取締役東京支店長を兼務。
月桃バイオマス事業(未利用有用資源の有効活用)として月桃を原料とする多彩な分野の商品展開を実施している。
主力商品「月桃紙壁紙」に携わる関係で宅地建物取引主任者、測量士補を取得。
精油応用商品の開発およびアロマテラピー分野への進出のために甲種危険物取扱者、AEAJ認定アロマテラピーインストラクターを取得

http://www.gettou.info (月桃情報発信)
http://www.gettoushi.com (月桃紙情報発信)
http://www.gettou.co.jp (月桃商品ショッピングモール)