BOOKクラブ

みんなに注目されているソーパーさんたちに、石けん作りや日々の暮らしに影響を与えたお気に入りの一冊と、その本にまつわるエピソードを紹介してもらいました。

「Hot Drinks around the World-世界のホットドリンク」

とかくとっておきの本、大好きな本というのはあまり人に教えたくない本でもあります。ですが、「ブッククラブ」というすばらしい機会をいただき、是非この本をたくさんの人に知ってもらえたら、手にとってみてもらえたら嬉しい、読んで何か幸せな気持ちになっていただけたらと思い、スペースをお借りして記事を書かせていただくことにしました。
私がご紹介させていただく本は、「Hot Drinks around the World(世界のホットドリンク)」という本で、タイトル通り、世界で飲まれているあたたかい「飲み物」を紹介している本です。
この本には世界の様々なホットドリンクとそのレシピが紹介されていて、日本でもお馴染みの「甘酒」「しょうが湯」「タマゴ酒」「みかん湯」が紹介されています。そして何を隠そう、ほとんどの飲み物の中には私の好奇心をくすぐるハーブやスパイスが入っています。例えばクローブやシナモン、カルダモン、柚子やショウガやアンズ、キンカン、ミント、レモン、オレンジなどなど、もちろんコーヒーだって植物の豆。「ああ、なんか植物(ハーブといってもいいかな)」ってとっても身近だなって思わせてくれる本です。
この本は世界を代表する飲み物とレシピの紹介本ですが、その飲み方やシーンや歴史など、ちょっとしたコラムが読み物として添えられています。
また、飲み物のお話以外にも世界の国々の町並みや彩り豊かな建物、お茶を楽しむ人々の暮らし方、個性的なデザインに彩られたお茶のカップの写真がたくさん載っていてビジュアル的にも楽しめます。ひとつひとつのお茶のカップは、いかにも!ならではの飲み物が注がれていて、まさにこのカップにはこのドリンクといえるものばかりです。

さてなぜこの本がお気に入りの一冊なのかお話したいと思います。
数年前、私はハーバリストとして心やからだの健康に関わる仕事を始めて、たくさんのお客様と出会い、植物がどんな方法で人々を癒し元気にしていくのか学びの渦にいました。仕事としていくのだからより多くのことを学ばなければならないし、調べれば調べるほど複雑だし、矛盾ばかりだし、植物の癒しって何だろうと、植物を通して人を元気にするってどういうことだろうと答えが見出せないでいました。
ある日、以前会社の先輩に「ハーブティー飲んでみませんか?」とおすすめしたとき、先輩が「そうねぇ、ハーブが健康にいいのは知っているけど飲む時間がない」とあっさり、ばっさり。忙しそうな先輩をみた私は「でもハーブそのものより、そういう時間を持つことが大事ですよ。」と言葉をかけました。その時先輩が「そうだね、ああ、そうだよね。お茶の時間てさ『飲み物と時間』セットだよね」って。
それからその言葉がずっと心に焼き付いて、もしかしたらハーブをより身近に感じさせてくれる方法は「飲み物」なんじゃないかなと思い始めました。

ハーブをメディカルな視点で学んでいくとその効能や処方に傾いていき、フィトケミカルばかりが注目されて何だかお薬みたいになってきます。それはそれで治療としては良いのでしょうけど、本当に大切なことは植物は人々の生活に身近にあって、いつもそばにいてくれて、あるがままに私たちを守ってくれることなのではないかと思います。
でも身近って何でしょう?いつも茶葉が準備してあって、時にはお酒に漬けて、時にはパウダーにして?それって身近でしょうか?好きな人はできるけど、それって皆、そういうことができるわけじゃない。
でも例えばお庭のガーデニング、食卓のテーブルや玄関に季節のお花、寝室のアロマ、リビングの観葉植物、そしていつも歩くお散歩コースだって。ほら生活の中には必ず植物がそばにいますよね。一日の中でお茶を飲む時間はどのくらいありますか?ほっと一息つく時間。

私はかねてから「お茶時間」が大好きで、このお茶時間の意味にはたくさんの意味が含まれていると個人的に考えています。

もし一日、どこかであたたかい飲み物をいただくことができたら、心を休め自然や植物を感じる方法のひとつなのではないでしょうか。飲み物は植物を身近にするとても大切なもののひとつでしょう。
このことは最後の章「おわりに」にも似たようなことが書かれています。
ちょっとしたひと手間が温かみとなって人々の心をつないでいく。あえてお茶の時間をつくってみる。香りと味と色を楽しんでみる。飲み物って本来「あったかい」心の癒しなんでしょうね。そしてこんなところに人と植物をつないでいく方法があったんだなって気づかせてくれるこの本は、悩んでいた私を「大切なところにもどしてくれる」宝物になりました。
是非この「お茶を飲む時間」「ひと手間」をも一緒にいただいてほしいなと思っています。そしてそこに植物があったら尚いいじゃないでしょうか。いえ飲み物は植物の癒しといってもいいかもしれませんね。


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【ソーパープロフィール】

Hanoenさん 埼玉県草加市在住

◆HP :http://www.hanoen.jp 
◆ブログ http://plaza.rakuten.co.jp/hanoen/
★日本メディカルハーブ協会認定 ハーバルプラクティショナー(日本メディカルハーブ協会会員)
化粧品会社を経て現在「植物療法」や「メディカルハーブ」を広く伝えていくため活動中。
化粧品会社在職中に植物から得られる化学成分や癒しの効果に関心を持ち、自分の病気をきっかけにメディカルハーブと植物療法を学ぶ。
植物に含まれる化学成分をメディカルな視点で心と身体の健康に役立てていくことだけでなく、植物や自然と人のかかわりから、自身が学び、知り、感じ、気づくことも広い意味での植物療法と考えます。