ソーパーインタビュー

「手づくり石けん」つながりで見つけた素敵な人を紹介するコーナーです。第5回目は、手づくり石けん教室と、道具のオンラインショップ「ツクツク」を運営している佃麻由美さんです。

石けん作りで「自分が欲しいもの」をカタチにしていきたい。

―石けんを作るだけでなく、石けんを作る道具の企画販売までされている佃さんですが、いつ、どんなことがきっかけで手作り石けんと出会われたのでしょう?

IMG_3796

結婚したての頃って何も知らないことばかりですよね。普段の暮らしでもわからないことだらけなのに、当時1歳だった長男が原因不明の病気になって…なぜそれに罹ってしまったのか調べるために、図書館で本を読んだりして必死で答えを探していました。その時に布オムツと洗剤の関係について書かれた『だから、石けんを使う』という本を読んで、市販の石けんを購入して使い始めました。それがまず石けんとの出会いです。しばらくして『お風呂の愉しみ』という本に出会いました。そこには“なぜ手作り石けんが肌に良いのか”ということが、美しい文章でみっちりと書かれていたので、「これはいいものに違いない!」と確信して、ドキドキワクワクしてしまい、すぐに材料を集めて作り始めました。著者の前田京子さんは翻訳家でもいらっしゃるので文章が素敵なんです。美しい文章で書かれていたというのもポイントでしたね。きっと。

―それをすぐに実行されたのもすごいですね。

そうですね。使い心地が素晴らしい手作り石けんがあるということがわかって、しかもとってもお洒落な感じの写真やライフスタイルが紹介されていたので、すごく魅力的に感じました。そのころは手作り石けんの本はこれくらいしかなくて、今のように石けん教室などもなかったですから、とにかく自分でやってみるしかなかったですね。

―周りの方は急に生活が変わってしまった佃さんを見てびっくりされたのでは?

合成洗剤を使わずに、石けんだけでお風呂に入って洗濯して食器も洗う、それが周りの友人や家族にもなかなか理解されなくて…自分一人で作り始めた時は特に仲間もいなかったので、変り者のように思われているようでした(笑)でも、唯一、アトピーのお子さんがいる友人は、お姉様が作っているとかで、理解してくれましたね。

―手作り石けんの情報交換はどのようにしていたのですか?

そのころはインターネットの掲示板が頼りでした。「たおさん」の掲示板や、「手作り石けんファイトクラブ」というホームページがあって、そこを見て参考にしていました。おそらく皆さんそうだったのだと思います。私はインターネットを仕事で使っていたので、ホームページを自分で作ることができましたから、それが役に立ったと思います。しばらくしてからネットショップも立ち上げました。

―初めて作った石けんはどんなものでしたか?

『お風呂の愉しみ』に載っていた、オリーブ油100%の石けんです。オリーブ油だとスーパーなどでも売っていて材料が揃えやすいですし、「まずはこれを作りましょう」という感じで本に載っていたので。そういう意味ではベーシックな手作り石けんなのですが、泡立ちはとても控えめで、溶け崩れやすいので、今ではめったに作らないですね。普段作る石けんには泡立ちの良さや固さを出すために、パーム核油やパーム油を加えます。基本の配合はありますが、自分のいいと思う分量で作り続けています。

IMG_0228IMG_0234-2color_senryou200

―ネットショップを立ち上げるまでにはどんなことがありましたか?大変だったこと、良かったことを教えてください

ネットショップは2003年に立ち上げて現在に至ります。資本金は2万円でした。立ち上げること自体は私にとってはとても簡単でしたし、子育て中の主婦なので絶対に損はしないように慎重に運営していました。
立ち上げ当初はソープカッターなどの石けん用道具の他に雑貨石けんも販売していました。自分で作るのは大変だけど欲しい、という人がたくさんいらっしゃったので石けんは嵐のように売れましたね。ですが、ハンドメイド石けん協会と出会ってから雑貨石けんの販売はやめました。今は、どちらかというと、いろいろな石けん作り用のオリジナル商品を生み出すのが楽しいですね。

―ネットショップで売っている商品はほとんど佃さんのオリジナルですか?

はい、販売している商品は、全て私が企画製作しています。もともと木工が趣味でしたので、道具も自分で作って販売していましたが、さすがに現在は加工のプロに頼んで作ってもらっています。例えば木の台とワイヤーソーは基本の道具なのですが、これを使うと、本当に美しく石けんカットできてプロ級の仕上がりですよ(笑)ナイフで石けんをカットすると、どうしても斜めになってしまったりしますので、ぜひ揃えていただきたいものです。

pink_200_2acrylicA-Gsquersoapcutter200

―その中で佃さんのイチオシグッズは?

「入れ子式アクリルモールド」ですね。実用新案を取得した優れものです。アクリルモールドを販売しようと思って毎日毎日考えていて…布団の中でもアクリルモールドを持って考えていた時にひらめいたのが、この入れ子式です。石けんの取り出しの良さと、収納時にはコンパクトになるのがおすすめポイントです。もう一つはオリジナル柄のマスキングテープ。私は手作り石けんに関係する柄で企画制作していますが、手作り石けんを作る人たちよりも、マスキングテープマニアの人たちに売れているようです。

―どうしてマスキングテープを作ったのですか?

マスキングテープは手作り石けんのラッピングにも使うし、女子はみんな好きなものだから…って、石けん作りを通じての友人からすすめられました。だけど作るには結構な資本がいるので無理だと思い、数年ほうっておいたのですが、一度勇気を出して作ってみたところ、すごく売れてすぐに完売になりましたので今は作り続けています。
柄はデザイナーさんに作ってもらっています。私は絵の才能はないので(笑)でも、満足するデザインを作っていただくのも一苦労です。デザイナーさんとのやりとりも数か月、発注してからも2か月かかります。新商品の開発ってなんでもそうですけど、労力がかかるものですね。
マスキングテープのデザインは、石けん作りに関連した物と決めていて、テキスタイルデザイナーの方には、矢羽根模様やうろこ模様を、昔からホームページのイラストなどをお願いしているデザイナーさんには、石けんを作っているイラストをお願いしています。

―今後はどんな商品を考えているのでしょうか?

新しい商品を楽しみにしてくださっているお客様がたくさんいらっしゃいます。だけど新商品を出すのは勇気と忍耐がいりますね。実はここしばらく準備をしていたことで、手作り石けん用の色材の販売を始めましたが、反響が大きくやりがいがあります。私の経験から石けん作りに役に立てていただけると思い選んだ発色の良い色材や石けん用に特別に企画された色材などです。

―作る人の目線から、何があったらいいか・・・という基準で販売する商品を考えていらっしゃるのでしょうか?

「作る人の目線」からというよりも、「自分が欲しい物」でしょうか。だから「これ、いいでしょう?」という感覚です。だから考えるのはとても楽しいですよ。手作り石けんって、ここ十数年で日本に入ってきたものだと思うのですが、その中で自分が工夫して作ってきたものや、欲しかったものが商品になっていますね。

―石けんを作ることはもちろんだと思うのですが、より良く、より快適に作れる素敵な道具を自分で開発できたらどんなに楽しいでしょう。そういうところにも購入する人が共感するところがあるのではないかと思いました。

ありがとうございます。今は新しい商材は思いつかないのですが、思いついたら開発していきたいです。子育てしながら細々と、ネットショップと教室も一人でゆっくりやってきました。これからはどうなるかなぁ。
雑貨石けんの販売をやめて、OEM(受託製造)で「柿渋石けん・緑茶石けん」というオリジナル化粧石けんの販売もコツコツとしてきましたが、それが地元特産品として少しずつですが定着してきているのも嬉しいことです。そういった活動があってか、ハンドメイド石けん協会の製造販売サポート委員会では委員長として、個人のソーパーが化粧石けんのOEMをするための講習会を行っています。また、今年度からマスターソーパーとして協会の運営のお手伝いをしていきますのでそちらの活動も頑張りたいです。
ハンドメイド石けん協会の資格制度も、大幅に充実していきますので、ますます手作り石けんが多くの方に親しまれるようになると思いますよ。
あと、お教室ももちろん頑張りますし、今後、自分がどうなりたいか考えたいと思います。今は子育てと仕事で毎日忙しくって、だけど今はもっともっと頑張っていきたいということだけですね。
 

本日はありがとうございました。

 


スポンサードリンク

【ソーパープロフィール】

IMG_3915-2

ツクツク こと 佃 麻由美(つくだ まゆみ)さん ★佃さんのマイページはこちら
京都府木津川市在住 かに座 O型
ツクツク手づくり石けん教室とお店 主宰
ハンドメイド石けん協会マスターソーパー
アロマ環境協会アロマテラピーインストラクター
■ツクツク手づくり石けん教室とお店 http://www.tsukutsuku.com/
◆ブログ http://ameblo.jp/tsuku-handmadesoap/

実用新案取得済みアクリルモールドやソープカッターなどのオリジナル道具類を販売しており、発色の良い石けん用色材の販売も人気です。自宅教室はご予約制にてお受けしています。