ソーパーインタビュー

「手づくり石けん」つながりで見つけた素敵な人を紹介するコーナーです。第 8 回目は、石けんにまつわる化学的な講座や石けんのデザインが関西人気のソーパー、ecru1さんです。

石けん作りから生活の中にたくさんの“手づくり”を

-ecru1 さんの石けんとの出会いを教えてください

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石けんを作り始めてから、もうすぐ10 年を迎えます。きっかけは、ケインズさん。某化粧品メーカーのシアバターを使っていて、もう少しリーズナブルなものはないかと、ネット検索で見つけたお店です。そこには、シアバターと一緒に石けん作りの材料が並んでいて… 読んでいるうちに、石けん作りの方に興味が湧き、オイルと石けん1個を求めました。肌が弱いとか、合成のものへの不信感とかではなく、あくまでも興味本位で作り始めたのです。
もともと化学が苦手でなく、石けん作りの第一 関門と言われる”苛性ソーダへの恐怖心”が少なかったのが、幸いしたかもしれません。

-いまでこそ素敵なデザインの石けんが人気の ecru1 さんですが、最初の石けんはどんな感じだったのでしょう?

最初の石けんは前田京子さんの本を見ながら作りました。オリーブ油で作ったのですが、保温の加減がわからず、ボソボソで見映えが悪くて(笑) そこで手づくり石けんWebさんに掲載されていた可愛い石けんなどを参考にして工夫しました。
それからオイルやオプションにこだわって、いろいろ試した時期を経て、今はシンプルなレシピに戻ってますね。
いろいろ工夫しても違いを感じなかった母が、めずらしく「あれ、良かったわ」と言ったのは、いただきものの石けんでした。多少のくやしさを感じながら教えてもらったレシピは、その方が長年作り続けている定番レシピでした。以来、それを愛用しています。

残念なことに、家族は、石けんの見た目には興味がないようで。でも、私にとっては、“石けん作り”がひとつのストレス発散なので、自己満足だろうが何だろうが、自分の好きなように作ります。もちろん、デザインな気分のときは、派手なものも作りますよ(笑)

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-見た目といえば、ブログによく登場する透明石けんにはどんな魅力があるのでしょう?

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透明石けんって、使用感より見た目重視、作り手のわがままの塊みたいなものかもしれません。透明度をあげるためのオプション素材やオイル構成にすると、使用感が悪くなってしまいます。逆に使用感を重視すると、透明にならない。で、欲張ったレシピを組んで、失敗することも少なくないんです。リバッチすれば、透明になりますけど。だから、透明石けんのレシピを組むときは、ギリギリの攻防ですね(笑)
それでも、バスルームで水に濡れてキラキラ光っているのを見ると、また作りたくなる。不思議な魅力があります。しかも手間がかかった分、できあがった時の達成感がすごいんです。

-ecru1 さんの講座はどんなことをやっていらっしゃるんですか?

実は“石けんを作る”講座というのは、やったことがないのです。石けん作りに関わる化学のことや、石けん作り用のシリコンモールド作り、石けんと共通の材料を使うバスボム作りなど、石けん周りのことを扱っています。化学は石けん作り特有の用語~たとえば『トレース』『ディスカウント』など~があり、化学の専門家よりも、実際に石けんを作っているソーパーが解説するほうがわかりやすいのかも知れません。

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-石けんを通していろんな方との交流が広がったと伺っていますが、どのようにつながっていかれたのですか?

石けんを作り始めたころから、自分の記録代わりに続けてきたブログを通じて、多くの方と出会うことができました。中でもリアルにお会いするようになったのは、2008年に TAO さんの講演会に参加したあたりからでしょうか。「手づくり石けんで、どんな社会貢献ができるか、アメリカの実情」みたいな内容で、手づくり石けんWebさんの企画だったと記憶しています。私はただただ TAO さんにお会いしたかったんですけど(笑) そのときに連絡先を交換させていただいた方々から、ほかの講座に誘ってもらったりして、どんどん人間関係が広がりました。

-石けん作りのほかにもいろいろ興味を持って勉強されているのですよね?

石けん作りから始まって、香りを追求するとアロマ、そのもとになっているハーブと、材料の元をたどっていくような感じで興味が広がっています。2016年は『 Phytolife Design Studio NoANoA 』の湯川智恵美先生のクラスでハーバルセラピストコースに参加しました。この湯川先生との出会いも、石けん仲間を通じて参加したハーブ関連の講座でした。
石けん用の植物材料つながりで染物もやっています。ワークショップでお世話になった『手染メ屋』の店主・青木正明先生は、古来の手法を大切にしつつ、ものすごーく理論的な解説をしてくださって、自宅でも普段使いのバッグや洋服などを染められるようになりました。

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石けん作りの道具を自作するのも、おもしろいです。
アクリルモールドは、図面を作って、サイズ指定したアクリル板を注文すれば、あとは貼り合わせるだけ。市販品にないサイズのものが簡単に作れます。
シリコンモールドは、手持ちのクッキースタンプやお菓子の空き容器などを利用して、オリジナルが作れます。

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さらに、そこから転じて、アロマストーンの型を作る。また一歩戻って、ミルキーウエイの石けんモールドをアロマストーン作りに利用する。石けん作りで知った油の知識を、コスメや食生活に活かす。石けんの材料でキャンドルを作る。染めの廃液と石けんの材料でクレヨンを作る。などなど、石けんを出発点として、生活の中にたくさんの“手づくり”を取り入れるようになりました。

-毎日を楽しんでいらっしゃるご様子が目に浮かびます!それではこれからやっていきたいことは?

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いろいろなことに挑戦しているので、石けんを作るペースは落ちています。それは、石けん作りへの興味が薄れたのではなく、石けん作りが生活に溶け込んで、特別なものではなくなったからでしょう。お母さんが(お父さんでも、お兄さんでもいいのですが)家族のために梅干しを漬けたり、洋服を縫ったりするのと同じように、暮らしの中の当たり前のコトとして石けんを作り、使っていきたいです。
また、そんなふうに石けん作りを楽しめる人が増えるといいなという想いを、ブログなどで発信していきたいと思っています。

-本日はお忙しい中ありがとうございました。

 


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【ソーパープロフィール】

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ecru1 (えくりゅ あん)さん
大阪府在住 うお座 A型
JAMHA認定ハーバルセラピスト、アロマフランス認定クレイテラピスト
◆ブログ『せっけんノート』http://blog.livedoor.jp/ecru1/
◆FB『せっけんノートfb』https://www.facebook.com/sekken.note/
ソーパーネームの ecru1 は、フランスの通販カタログに載っていたTシャツの
色 “ecru” に、ほかの人とダブらないように 1 を足したもの。