BOOKクラブ

みんなに注目されているソーパーさんたちに、石けん作りや日々の暮らしに影響を与えたお気に入りの一冊と、その本にまつわるエピソードを紹介してもらいました。

「西の魔女が死んだ」

わたしからのお薦めの1冊は、10年程前に映画にもなった梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』です。

その当時小学2年生の娘の愛読書でもありました。
毎日そして何度も飽きることなく読み返す娘を見て、娘が寝静まった後にこっそり読んだのがきっかけでした。
そのあらすじは、不登校になった中学生の女の子が、田舎で自然に囲まれて悠々自適に暮らすイギリス人の祖母の家に身を寄せ、「魔女修業」という名の精神修行を行うというものです。
「魔女修業」というのは簡単に言うと、何においても自分で決断し、やり通すこと。
 自然に触れあい、今までと違う生活リズムを送るうちに、心も身体も回復していくお話しでした。
幼かった娘は都会ではなかなか出来ない、ナチュラルライフの部分に憧れ、楽しく読んでいたようです。
もう1つ後から知ったことですが、初めて友達関係で悩んでいたそうで、自分と主人公を重ねていたのかも知れません。
 わたしが読むと娘とは少し違い、楽しいばかりではなく現代社会への問いかけのように感じました。
わたし自身いつからか、季節の小さな変化を感じることも無くなり、ただ流されるだけの毎日をあたり前に送っていました。
娘が生まれ、娘の目線と歩幅に合わせて歩いた時、道端に咲いたタンポポなどの草花、また落ち葉が舞うと感動と同時に、季節と季節の香りを共に感じていた子供時代を思い出しました。しかしまた娘の成長と共に、この小さな変化を見過ごし、繰り返すかのように日々忙しく過ごしていました。
 この本を読んだとき、またただ流されている自身に気付きはっとしました。そして、わたしの子供時代とは環境を含む様々なことが変化していることにも気付かされたのです。
例えば家に1台しか無かった黒電話が、中学生になった頃には黒電話ではなくなり、何台かの子機がありほとんど動くことなく電話に出られようになりました。
テレビは1台しかなく、野球シーズンには父が1人でテレビを占領するため、わたしは野球も父も嫌いでした。(笑)
でも各部屋にテレビを置くようになると、リビングで家族が過ごす時間は食事以外にはほとんど無くなってしまいました。
このように身近なところで便利なことが増え、それがあたり前の現在の生活。
もの1つにしても町中に溢れていますが、わたしの欲しいものは?と考えると特に無いことが殆ど。本当に欲しいのか必要なのかもわからないまま、手に取り買ってしまうこともあります。
たまに後から後悔することも。
 また、「これが食べたい!」と思って手に取り原材料を見ると、添加物や何かわからない名前が沢山並んでいることが多々あります。それと似ているのが、シャンプーなどのヘアケア用品や化粧品でした。
 知らないうちに私たちは化学製品に囲まれて生活している。という現実に驚いたと同時に恐怖すら感じてしまいました。
 このような生活全般を見つめ直したとき、不便ではあったけど子供時代のいいところは残したいと強く思うになり、まずはわたしに出来る簡単なことからはじめることにしました。
 それは大きく2つ。1つ目は家族の時間。
なるべく家にいるときには、リビングで過ごすことと、朝食は家族一緒に食べること。
これだけで家族の小さなSOSや変化に気付くようになりました。
忙しいことを理由に大切な家族を失うわけにはいきませんからね。
 そして2つ目。ここからは、大切な家族を守るための『わたしの魔女修行』
3年ほど前に購入した我が家は、わたしの希望で小さいながらもお庭付き。
そこには四季とりどりの草花やハーブ、野菜を育てています。
農薬を使用しない替わりに、野菜と相性の良いハーブを害虫予防に植えたりしながら楽しんでいます。土に触れると、不思議と癒され落ち着きます。
野菜やハーブを収穫できた時の喜びと、前の年に植えた花たちが今年も咲いてくれたときは、なんとも言えない愛おしい気持ちと、感謝の気持ちが生まれて来るんです。素直に「ありがとう」と。
庭なんていらないと言っていた主人は、今では芝生担当となりました。
主人は思春期の娘に取り入りたくて、最近は芝生で模様を描いています。渦巻きや石松模様のような。しかし、「気持ち悪い!」と娘からは一刀両断。そんな会話でも話してくれることに喜んでいます。(笑)
時々どうしてもお庭に出たくない日があります。それは、わたし自身が疲れているときや、忙しく心に余裕を持てなくなっているとき。そして気になっていても、何日も庭仕事が出来ないこともあるのです。お庭は当然ながら荒れてしまします。
そうです、お庭はわたしの心のバロメーターなのです。
 気分のいい日には朝から庭いじりをしたくなります。そして、収穫したハーブで石けんや化粧品を作る作業までもがルンルンと進みます。この作業がまたとても楽しいです。
自然の恵みから作る石けんたちは、肌トラブルで悩んでいた、わたしと娘の悩みも解消してくれました。
心に余裕が生まれると、家族や周りの人に優しい気持ちになれることにも気付きました。
この本の中のイギリス人の祖母のようにはいきませんが、私たち家族なりのナチュラルライフを楽しんでいます。
そして現在もこれからも、『わたしの魔女修業』はまだまだ続きます。


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【ソーパープロフィール】

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川口 宏美 hmfloraroom@gmail.com 
ナードジャパン アロマアドバイザー / ハンドメイド石けん協会 シニアソーパー
手作り石けん アロマクラフト教室 『flora room』主宰
自分はもちろん大切な家族のために、身近な食材やハーブ・精油といったナチュラル素材を中心に、お肌に優しい石けんとスキンケア用品の手作り講座を自宅にて開催しています。
◆ブログ    https://ameblo.jp/floraroom
◆ホームページ https://floraroom.jimdo.com/

【主なレッスン】
Workshop季節の石けん講座
石けんビギナークラス(全3回)石けん基礎科クラス)・石けんアレンジ基礎科クラス(全6回)
ハンドメイド石けん協会資格認定講座 ジュニアソーパー講座